音楽を楽しく学ぶSTEAM教材アイデア
前回STEAM教育のお話をしましたが、具体的なイメージがわかないのではないでしょうか。
そこで、音楽を通じてSTEAM教育を楽しんでもらうための、具体的なアイデアをご紹介します。
STEAM教育とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)の5つの分野を統合した学びです。
音楽にこれらの分野を結びつける事で、子供たちが楽しみながら探究心や思考力を育むことが出来ます。
1. リズムとパターンの学習 (音楽 × 数学)
ねらい:リズムを通じてパターン認識や数の感覚を育む
内容:まず、リズムカードを使ってシンプルなリズムパターンを叩く練習をします。
そして簡単な規則性のあるリズムパターンを自分で考えてみます。
また、知っている音楽などを聴いて、そのリズムパターンを見つける事もいいですね。
おうちでできる簡単な問題:自分で考えたリズムを友達や家族にたたいてもらい、リズムにどんなルールがあるのか、クイズを出してみましょう。
ポイント:リズムパターンに規則性、たとえば
1.〇拍めは必ず4分休符
2.〇〇音符の後は必ず〇〇音符
3.2種類のリズムパターンが交互に続く
など、数学的な思考を自然と育みます。
2. サウンドエンジニア体験 (音楽 × 工学)
ねらい:音の出る仕組みを通じて工学の基礎に親しむ
活動内容:輪ゴムや紙コップなど、身近なものを使って楽器を作ります。
例えば、輪ゴムでギターを作ったり、ペットボトルにビー玉を入れてシェーカーを作ったりします。
音を出してみて、太いゴムと細いゴムで音がどう違うか、またペットボトルの中の材料を変えたときの音の変化を感じてもらいます。
おうちでできる簡単な問題: 輪ゴムでギターを作って音を鳴らしてみましょう。
太いゴムと細いゴム、どちらが高い音が出るでしょうか?なぜ音が違うのか考えてみてください。
ポイント:音の高さと振動の仕組みを感じながら、物理の基礎に触れることができます。
自分で作った楽器で遊ぶことで、探求心が高まります。
3. 音楽と色のアート (音楽 × 芸術)
ねらい:音楽のイメージを色や形で表現し、創造力と感性を引き出す
活動内容:音楽を聴きながら、自由に感じた色や形を紙に描きます。
例えば、明るい曲には明るい色、ゆっくりした曲には柔らかな線や形など、音楽に合わせて表現することで感覚を養います。子供たちは音楽から感じたものを視覚的に表現し、創造的な力を伸ばします。
おうちでできる簡単な問題: お気に入りの音楽を聴きながら、その音楽に合う色や形を紙に描いてみましょう。
なぜその色や形を選んだのか、説明できるかな?
ポイント:音楽を通じて自分の内面を表現する練習ができます。
色や形での表現は、答えが1つではないため、個々の個性が活かされます。
4. 音の科学 (音楽 × 科学)
ねらい:音の高さや振動数の関係を学ぶ
活動内容:いろいろな大きさのグラスに水を入れてスプーンで叩いて音を出し、音の高さを比べます。
水の量を変えると、音の高さがどう変わるかを観察しながら、「ドレミ」の音階を作るなど、科学の基礎を学びます。
音の高さと振動数の関係に触れることで、物理学的な概念を体験します。
おうちでできる簡単な問題: さまざまなグラスに水を入れて音を鳴らしてみよう。
音の高い低いはどうやって変わるのかな?水の量を変えて「ドレミ」の音階を作ってみよう!
ポイント:音の変化を視覚的に理解できるため、探求心と理解が深まります。
5. プログラミングで音楽を作ろう (音楽 × 技術)
ねらい:簡単なプログラミングを通じて、技術と創造性を同時に学ぶ
活動内容:タブレットやパソコンで、簡単なプログラムを使って音楽を作ります。
音の長さやリズム、メロディを自由に設定し、自分だけのオリジナル曲を作ることで
プログラミングの基本的な考え方を自然に身に付けられます。
おうちでできる簡単な問題: プログラムを使って、あなたの好きな音楽を作ってみましょう。
どんな音の長さやリズムがあると楽しい曲になるかな?
ポイント:自分の手で音楽を作る楽しさを感じながら、プログラミングの基礎に触れることができます。
STEAM教育を音楽で楽しもう!
これらのアイデアは低年齢の子供たちでも楽しめる内容で、遊びながら科学や技術、工学、芸術、数学に親しむきっかけになるでしょう。
音楽を通じて子供たちは楽しく自らの探究心と創造力を伸ばし、学びがもっと楽しくなるのではないでしょうか。