メゾとメッゾ どちらが正しい?

音楽記号の「メゾ」と「メッゾ」の違い

楽譜には多くの音楽記号が出てきます。
その中でも、よく目にするのが「メゾフォルテ」や「メゾピアノ」といった音楽記号ですが、
「メゾ」と「メッゾ」という表記が混在しているので、どちらが正しいのかと疑問に思う事はありませんか?

結論から言うと、音楽記号として使われる「メゾ(mezzo)」と「メッゾ(mezzo)」は同じ意味を持ち、どちらもイタリア語で「半分」や「中くらい」を意味していて、音楽においては「中程度の音量」を表現するために使われます。
例えば「メゾフォルテ(mezzo forte)」は「やや強く」、「メゾピアノ(mezzo piano)」は「やや弱く」を意味します。

では、なぜ「メゾ」と「メッゾ」という異なる表記が存在するのでしょうか?
これは、音楽理論そのものではなく、主に日本語における表記や発音の違いに関係しています。

1. イタリア語の発音から

「mezzo」はイタリア語の単語で、正確な発音は「メッツォ」と「ツ」の音が入ります。
この「ツ」の音は、イタリア語の発音における特徴ですが、日本語に翻訳された際、この「ツ」の音を完全に再現するかしないかによって、「メゾ」と「メッゾ」という異なる表記が生まれました。
イタリア語の発音に近いのは「メッゾ」ですが、音楽の用語としてはどちらも正しいとされています。

2. 日本語における表記の違い


学校や先生により「メゾ」が使われる場合もあれば、「メッゾ」で使われる場合もあります。
これは単に日本語の表記の揺れであり、意味や使い方に違いはないので「メゾ」と「メッゾ」どちらが使われていても、同じ記号です。

3. 音楽での使用例

音楽記号として「mezzo」が使われる最も代表的な例は「メゾフォルテ(mezzo forte)」と「メゾピアノ(mezzo piano)」です。
「メゾフォルテ」は、フォルテ(強く)よりも少し控えめに強く演奏することで、「メゾピアノ」はピアノ(弱く)よりも少しだけ強く演奏することです。
このように、音量の微調整に使われるのが「mezzo」です。

また、その他の音楽用語でもこの「mezzo」は登場します。
例えば、オペラやクラシック音楽でよく耳にする「メゾソプラノ(mezzo-soprano)」は、ソプラノ(高音の女性の声)よりも少し低めの声域を指します。
このように「mezzo」という言葉は、音楽において「中くらい」や「やや控えめ」といったニュアンスを伝えるために広く使われています。

4. まとめ

「メゾ」と「メッゾ」の違いは、基本的には日本語の表記や発音の違いに過ぎず、どちらも同じ「mezzo」というイタリア語から来ており、音楽記号として意味や使い方に違いはありません。

楽譜の中に「メゾ」や「メッゾ」を目にしたときには、音量の微妙なニュアンスを意識しながら演奏してみると、より豊かな表現ができるかもしれませんね。

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