小学生の合奏曲選びのコツ:子どもたちが楽しめる5つの工夫
学校での合奏は、音楽の楽しさを学ぶ絶好のチャンスですが、合奏の準備をする先生方にとっては、子どもたちのレベルや好みに合った曲選びや、楽しく練習できる環境作りが大変ではないでしょうか。
そこで、子どもたちが合奏を楽しみ、音楽への興味を深めるために5つの工夫を考えてみました。
1. 親しみのある曲を選び、興味を引き出す
合奏曲を選ぶときに考えたいのは「子どもたちが知っている曲」を選ぶ!
子どもたちにとって親しみやすい曲は、練習の意欲を引き出すのに役立ちます。
例えば、アニメの主題歌やテレビで耳にする曲、季節ごとのイベントに合わせた曲は興味付けに効果的です。
たとえば、音楽会では「にじ」や「翼をください」などの定番曲が盛り上がり、その時々に話題になっているアニメやアイドルの曲は絶対に盛り上がります。
また、冬にはクリスマスの楽しい歌、春には明るく躍動感のある曲を選ぶことで、曲の背景をイメージしやすくなり、子どもたちも楽しんで演奏に取り組めるのではないでしょうか。
日常的に耳にする曲を選ぶと、子どもたちは「この曲知ってる!」と興味を持ち、自然と練習へのやる気も高まります。
2. 難易度を調整し、全員が達成感を味わえるように
合奏の難易度は、クラス全員が参加できるレベルに合わせることが大切です。
音楽が得意な子もいれば、苦手な子もいるので、簡単なパートやリズム担当のパートを作ることで、全員が無理なく演奏できるようになります。
パートを分散して、メロディーパートではAメロ担当やサビ担当などに分け、ハーモニーパートではベースラインと和音、リズムパートでは打楽器の種類などを分けることで、各パートに合わせた難易度の調整ができます。
リコーダーや鍵盤ハーモニカでメロディーを担当する子たちには、少し難しいけれど練習すればできるパートを、打楽器や簡単なリズムを担当する子たちは、リズムに集中して演奏をサポートします。
このように難易度を調整する事で音楽経験の少ない子でも、自分の役割を楽しみながら参加できて、素敵な合奏が完成します。
3. 多様な楽器を使って「音づくり」の楽しさを体験させる
様々な楽器を使って音を作り上げることは、合奏の醍醐味の一つです。
学校で手軽に用意できる鍵盤ハーモニカ、リコーダー、木琴、カスタネットなどを活用して、音楽の幅を広げます。
特にリズムが大切な曲では、打楽器が肝になります。
リズムパートがしっかりすると、全体の演奏がまとまり、音楽の土台ができるため、クラス全体で息を合わせる楽しさが増します。
例えば、カホンやタンバリン、ウッドブロックなどを加えると、子どもたちはそれぞれの音の違いに興味を持ち、リズムを支える大切な役割を自覚しやすくなります。
また、リコーダーや鍵盤ハーモニカだけではなく、アサラトやパチカ(木やプラスチックの2つのボールを当てて音を鳴らす楽器)など、少し変わった楽器を加えるのもおすすめで、「自分だけの特別な音」を出せる楽しさも味わえます。
4. 発表会や季節のテーマに合わせた曲を選ぶ
発表会や文化祭の合奏曲は、季節のテーマに合わせることで、さらに子どもたちの関心を引くことができます。
季節ごとのイベントに合う曲を選ぶと、曲の背景にある情景やストーリーを想像しやすくなり、演奏に感情が入ります。
例えば、冬の発表会ではクリスマスソングや冬をテーマにした曲を演奏すると、子どもたちはその季節特有の空気感をイメージしながら演奏できます。
また、春の文化祭には「春が来た」や「さくら」など、日本の春らしさを感じさせる曲を取り入れるのも良いですね。テーマがあることで、子どもたちが曲を通して感じる世界が広がり、情操教育にもなります。
5. 遊びの要素を取り入れて、全員が楽しめる環境を作る
合奏の練習を嫌がる子ども達もいます。
そんなときは、少し工夫してゲーム感覚で子ども達が興味を持つ練習方法を取り入れてみます。
1.テンポをゆっくりにして一つひとつの音を丁寧に合わせる「スローモーションチャレンジ」
2.ペアになってリズムを合わせる「リズムペアリング」
3.曲や楽器に関するクイズを出す「クイズ大会」
このような遊び感覚の要素を取り入れると、子どもたちは自然と集中して盛り上がります。
また、練習の最後には「フリー演奏タイム」を設けて、少し自由に音を出す時間を作るのもおすすめです。
自由に音を出すことで緊張がほぐれ、よりリラックスして練習に取り組めるようになります。
「自分の好きなリズムで自由に演奏してみよう!」など、子どもたちの個性を引き出せる機会を作るといいのですが、羽目を外す子どももいるので、そこは注意!ですね。
このような工夫をすることで、先生も子どもたちも合奏の楽しさを存分に感じ、合奏を通して子どもたちが音楽への興味や自信を育むきっかけになるのではないでしょうか。

保育で使える合奏楽譜ベストセレクション
(ひかりのくに保育ブックス)
2~5歳児対象にした合奏譜ですが、楽器を追加したり、ちょっとしたアレンジで小学生でも十分盛り上がります。
特に「JUPITER」や「情熱大陸」はイチオシです!
5歳児を対象にアレンジされていますが、5歳ではかなり難しく
小学生が余裕をもって演奏できれば盛り上がる事間違いなし!
簡単に楽器の使い方や、演奏のポイントなどが書かれているのでとても参考になりますよ。
合奏曲おすすめ教材
たのしい楽器あそびと合奏の本 【伴奏CD付き】
タイトルに「楽器遊び」とあるように、
音を楽しめる教材です。
伴奏のCDが付いているので、先生も楽しみながら指導できます。
小学生のための器楽合奏名曲集
小学校低学年~中学年向けの器楽合奏曲集です。
学校にある身近な楽器で演奏できる編曲になっていて
「となりのトトロ」~「ひまわりの約束(秦基博)」など
30曲余りから選ぶことができます。
低学年~中学年対象になっているので可能であれば、楽器やリズムを少しアレンジすればいいですね。
そして、合奏ではないですが鍵盤ハーモニカの指導におススメの1冊です。
マサさんの さあ!はじめよう 鍵盤ハーモニカ 【模範演奏&ピアノ伴奏CD付】
”マサさん”という筆者は元々エレクトーンの代表的なプレーヤさんで、ポイントを押さえた構成で、子ども達がピアニカを大好きになるような、とても楽しい教材です。
これも模範演奏や伴奏のCDがあるので、余裕のある指導ができると思います。
ぜひぜひみんなの笑顔あふれる「心に残る音楽会」にしてくださいね!