近年の教育において「知育」と「STEAM教育」が注目されています。
どちらも子どもの成長や学びを支える重要なアプローチですが、その違いや関連性について知育とSTEAM教育の特徴を比較しながら、それぞれの教育法と関連性を考えてみましょう。
知育とは?

「知育」は、特に幼少期の教育に焦点を当て、言葉や数、図形、記憶力、論理的思考力などをバランス良く伸ばすことを目的とした、知識や思考力を育む教育のことを指します。
知育において教材の役目を果たすお勧めの知育玩具の一例をご紹介します。
1.パズルや積み木を使った遊び
音の鳴る積木は、0歳児から遊べる知育玩具としてお勧めです。
2.言葉遊びや絵本の読み聞かせ
絵本は読み聞かせるだけでなく、疑問を投げかける書籍は、正にSTEAM教育に有効な絵本です。
(参考:「なぜ?」「どうして?」ふしぎ366 (頭のいい子を育てる))
3.数字や図形の認識を深めるゲーム
革新的なデザインで36個が70以上の形状に変形するジェットキューブが人気です
知育の特徴は、子どもの興味や好奇心を刺激しながら、遊びの中で生活や学びの土台となる「基礎的な学び」です。
STEAM教育とは?

「STEAM教育」は、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの分野を統合した教育方法で、現実世界の課題解決に必要な創造性や批判的思考力、協働スキルを育てるものです。
STEAM教育の具体例は
1.科学実験を通じた現象理解(例:色水を使った酸性・アルカリ性の学習)
2.プログラミングやロボット制作(例:思考力の学び)
3.音楽やアートを取り入れた数学の学び(例:リズムや図形を使った問題解決)
STEAM教育は、複数分野を横断的に組み合わせることで問題解決力や新しいアイデアを創出する力を育てます。
知育 | STEAM教育 | |
対象年齢 | 主に幼児~小学生低学年 | 小学生~高校生 |
目標 | 基礎的な知識や思考力の育成 | 創造性・問題解決能力の育成 |
アプローチ | 記憶や基礎能力の習得 | 複数の分野を統合 |
具体例 | パズル、絵本、数のゲームなど | ロボット制作、アートと数学の融合など |
知育とSTEAM教育の関連性
知育とSTEAM教育は対立するものではなく、相互補完的な関係にあります。
知育で身につけた基礎的な学びを土台として、STEAM教育で発展的な学びに繋げます。
- 知育で育まれる論理的思考⇒STEAM教育におけるプログラミングや問題解決の土台となる。
- 知育で培う言葉の力⇒STEAM教育でアイデアを表現したり、他者との共同作業をする際に役立つ。
- 知育の図形認識や空間認識能力⇒STEAM教育の工学やデザインの分野で応用。
知育からSTEAM教育への橋渡し

子どもの学びを効果的に進めるには、知育からSTEAM教育へスムーズに移行できるカリキュラムや教材を用いることが重要です。
成長に合わせて以下のようなステップが考えられます。
1.幼少期(知育段階) パズルやブロックで形や数の基本を学ぶ。
2.小学校低学年 知育で学んだ図形や数の概念を基に、簡単な科学実験やアートプロジェクトを取り入れる。
3.小学校高学年以降 STEAM教育の具体的な活動(ロボット制作、プログラミング、デザイン思考など)
家庭の中での知育とSTEAM教育への取り組み

家庭の中でも、子どもへの声掛けや一緒に過ごす時間を少し工夫する事で、知育やSTEAM教育を日常的に取入れる事が可能になります。
- 積み木やブロックを使った算数とアートの融合活動
(制限した数の)積み木やブロックで建物や動物を作る。 - 身近なものを使った科学実験
シャボン玉を、ストロー以外のモノを使い形の変化を楽しむ。 - 音楽と数学の融合
異なる拍子のリズムで、それぞれの拍子の1小節にある拍数の違いを学ぶ。
まとめ
知育とSTEAM教育は、それぞれの目的やアプローチが異なるものの、どちらも子どもの可能性を広げる上で欠かせない重要な学びです。
知育は基礎力を育み、STEAM教育はその基礎を活用して創造力や問題解決能力を伸ばします。
未来へ続く新しい学びは、知育を大切にしつつ、STEAM教育を取り入れることで、バランスの取れた学びが実現します。
家庭や学校での実践を通じて、子どもたちが未来社会で活躍できる力を育てていきましょう。